海のない京都でなぜ「にしんそば」が名物に?老舗松葉の歴史と名店を徹底解剖
海のない京都でなぜ「にしんそば」が名物に?老舗松葉の歴史と名店を徹底解剖とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を簡潔に解説します。
身欠きにしんの甘露煮と蕎麦を組み合わせ、ひとつの完成された料理として世に送り出したのが、祇園四条の南座西隣に店を構える総本家にしんそば 松葉です。創業は幕末の文久元年(1861年)。二代目店主である松野与三吉氏が、1882年(明治15年)ににしんそばを考案し、商標登録を行いました。
当時、芝居小屋が集まる祇園界隈で、観劇前後に素早く食べられ、かつ栄養価の高い食事として評判を呼んだのが始まりです。松葉のにしんそばは、丼の底ににしんを忍ばせ、その上から蕎麦と熱々のつゆを注ぐ独特のスタイルを守り続けています。蕎麦の下で熱せられたにしんから良質な脂と甘辛いタレが溶け出し、利尻昆布と鰹節で引いた淡口の出汁と混ざり合うことで、最後の一滴まで飲み干したくなる深いコクが生まれます。