「こけちゃいました」谷口浩美が独占取材で語る転倒劇の舞台裏
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1992年バルセロナオリンピック男子マラソンは、まさに日本長距離界の黄金期を象徴するレースだった。モンジュイックの丘へと続く過酷な急坂、照りつける苛烈な太陽。過酷を極めたコンディションのなか、世界の強豪と渡り合ったのが、旭化成陸上競技部に所属していた谷口浩美と森下広一の二人だった。
レース中盤、20キロ過ぎの給水所で悲劇は起きた。混戦のなかで後続選手と接触した谷口は激しく路面に叩きつけられた。右足のシューズが脱げかけ、左膝と足首を痛める致命的なアクシデント。普通であればその場で途中棄権を選んでもおかしくないダメージだった。しかし、谷口は倒れた体を瞬時に起こし、脱げかかったシューズを履き直すと、猛然と前を追った。一方、同僚の森下広一は先頭集団で韓国の黄永祚と壮絶な一騎打ちを繰り広げ、堂々の銀メダルを獲得。日本陸上競技連盟の関係者のみならず、世界中のファンがこの二人の走りに息をのんだ。
谷口は最終的に8位入賞を果たし、ゴールラインを越えた。メダルを逃した悔しさ以上に、彼が見せた「最後まで諦めずに走り抜く姿」は、オリンピック史上に残る感動的なハイライトとして記録されている。