加藤智大と秋葉原事件の深層|過酷な生い立ちとネット暴走の真実
加藤智大と秋葉原事件の深層|過酷な生い立ちとネット暴走の真実にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。
親元を離れた加藤は、関東や東海の工場を転々とする派遣労働者となりますが、職場での対人関係をうまく築くことができませんでした。そうした彼が唯一心を許し、自己の承認欲求を満たす場として依存したのが、携帯電話専用のネット掲示板でした。
当時、加藤智大の掲示板への書き込みは1日数千件に及ぶこともあり、自虐的な投稿や他者とのやり取りを通じて自尊心を保っていました。しかし、次第に掲示板内で「なりすまし」や「荒らし」に遭うようになり、ネット上のコミュニティから排除され孤立感を深めていきます。
加藤智大の犯行動機の核心は、世間一般で連想された「格差社会への不満」や「派遣切りへの復讐」だけではありませんでした。静岡県裾野市の自動車工場で作業着が見当たらず「自分は職場で孤立し、クビになった」と思い込んだ被害妄想と、ネット掲示板でのアイデンティティ崩壊が重なった結果、「掲示板の住人に自分の存在を決定的に知らしめる」「ネット荒らしをやめさせる」という、倒錯した自己顕示と破壊衝動が直接の引き金となったのです。
犯行当日の早朝から、彼はトラックを運転しながら掲示板へ「秋葉原で人を殺します」「時間になりました」と逐一実況投稿を続け、自らを後戻りできない破滅へと追い込んでいきました。