キャンディーズ『微笑がえし』歌詞の秘密|歴代曲が織りなす感動の仕掛け
キャンディーズ『微笑がえし』歌詞の秘密|歴代曲が織りなす感動の仕掛けにまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。
キャンディーズのラストシングルとして1978年2月25日に世に送り出された『微笑がえし』。一聴すると、春の訪れとともに恋人同士が別々の部屋へ引っ越していく哀愁漂う情景描写ですが、そこには作詞を手がけた松本隆氏による前代未聞の言葉遊びが仕掛けられていました。
歌詞の中に、彼女たちがそれまでにリリースした代表的なヒットシングルのタイトルが、ごく自然な日本語として織り込まれているのです。松本隆氏は、解散という避けられない別離を直接的な「さようなら」という言葉で湿っぽく描くのではなく、新生活へ踏み出す「引っ越し」の風景に重ね合わせました。
具体的には、1番の冒頭から「春一番」が吹く南向きの部屋の掃除から始まり、運び出される荷物を見つめながら「年下の男の子」との思い出を回想します。さらに2番では「わな」にかかったようなためらいが描かれ、サビに向けて「アン・ドゥ・トロワ」「ハートのエースが出てこない」「やさしい悪魔」「哀愁のシンフォニー」を想起させるフレーズが次々と展開していきます。
別れの寂しさを抱えながらも、最後はお互いに「微笑み」を交わして前を向くというストーリーテリングは、キャンディーズの3人とファンの関係性そのものを鮮やかに投影した芸術的な仕掛けといえます。