埋没林はなぜ腐らない?数千年の時を超える無酸素の奇跡と科学
埋没林はなぜ腐らない?数千年の時を超える無酸素の奇跡と科学とはどのようなものなのか? 背景や要点を簡潔に解説します。
木材が腐るプロセスには、空気中に遍在する「木材腐朽菌」と呼ばれる菌類(キノコやカビの仲間)の存在が不可欠です。これらの菌は木材の主成分であるリグニンやセルロースを酵素で分解し、自らの栄養源とします。しかし、木材腐朽菌が活動するためには「水分」「温度」「栄養分」、そして何より「酸素」の4要素が揃わなければなりません。
埋没林が形成される現場では、このうちの「酸素」が完全に絶たれる無酸素状態(嫌気性環境)が急速に成立します。酸素濃度が極限まで低下すると好気性菌である木材腐朽菌は一切呼吸ができず、活動を停止(不活性化)します。たとえ数千年という天文学的な時間が経過しても、分解者たる微生物が活動できない以上、木材は物理的に腐りようがないのです。