親指を立てる「サムズアップ」の意味とは?海外タブーとビジネスの罠

親指を立てる「サムズアップ」の意味とは?海外タブーとビジネスの罠に関する基本知識をわかりやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

日本国内において、握り拳から親指だけを真っ直ぐ上に向ける親指を立てるサインは、承認、賞賛、同意を示すジェスチャーとして浸透しています。英語の「Thumb(親指)」と「Up(上へ)」が組み合わさったこの所作は、一般的に「OK」「素晴らしい」「順調」といった肯定的な感情を瞬時に伝えるツールとして機能してきました。

対極に位置するのが、親指を下に向けるサムズダウンの意味です。こちらは明確な拒絶、不賛成、低評価、あるいは「敗北者への処刑要求」を象徴するネガティブな記号として使われます。では、なぜ親指の上下運動だけでこれほど両極端な意味が与えられたのでしょうか。その語源の由来を探ると、古代と近代の二つの歴史的転換点に突き当たります。

広く信じられている俗説は、古代ローマの円形闘技場で行われた剣闘士(グラディエーター)の試合に端を発するという説です。敗北した剣闘士の生死を決める際、観客や皇帝が親指を上に向ければ「命を助けよ」、下に向ければ「剣でとどめを刺せ」と命じたという描写が、19世紀の画家ジャン=レオン・ジェロームの名画『ポリツェ・ヴェルソ(指を下げて)』やハリウッド映画を通じて世界中に刷り込まれました。しかし、歴史学研究においてはこの描写に疑問符が付けられており、実際には親指を突き出す行為そのものが「武器を抜け=殺せ」を意味し、親指を拳の中に握り込んで隠す仕草が「武器を収めよ=助命」を指していたという文献記録も存在します。

現代私たちが目にする「サムズアップ=Good」の図式を世界へ決定づけたのは、第二次世界大戦期のアメリカ軍です。戦闘機のパイロットが整備士や僚機に対して「準備完了・離陸可能」を告げる合図として親指を立てたことや、中国戦線で活動した米義勇軍「フライング・タイガース」が現地で「一番」「頂好(ディンハオ)」を意味する親指サインを取り入れ、それが戦後に本国や同盟国へ普及した歴史的経緯が確認されています。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest