Dragon Ash「静かな日々の階段を」の真実と名曲の深層
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2000年12月、中学生同士が殺し合うという過激な設定から国会でも審議されるなど、空前の社会的論争を巻き起こした映画『バトル・ロワイアル』。主演を務めた当時18歳の藤原竜也をはじめ、前田亜季、山本太郎、安藤政信、柴咲コウら新進気鋭の若手俳優たちがむき出しの魂をぶつけ合った同作の主題歌をオファーされたのが、当時21歳にしてユースカルチャーの絶対的カリスマとなっていた降谷建志でした。
東映の公式制作日誌や当時の音楽誌インタビューによると、深作欣二監督は楽曲制作にあたり、一切の細かい注文をつけず「若者の生々しい叫びをそのまま音にしてほしい」とだけ伝えたと記録されています。映画本編の凄惨なバイオレンス描写から、安易に攻撃的なハードコア・ミクスチャーサウンドを予想した映画関係者も少なくありませんでした。しかし、完成したデモテープを試写室で聴いた深作監督は、スクリーンを見つめながら深く頷き、無言で絶賛したと伝えられています。
血で血を洗う殺戮ゲームの果てに、生き残った主人公・七原秋也(藤原竜也)と中川典子(前田亜季)が街へと駆け出していくラストシーン。そこで流れたのは、怒りや煽動ではなく、痛みを抱えたまま日常へ戻る者たちを優しく包み込む「静かな日々の階段を」のメロディでした。暴力の虚しさと、それでも明日へ歩き出さねばならない若者の孤独を誰よりも理解していた降谷建志だからこそ到達できた、映画史に残る珠玉のエンドロールです。