抗凝固薬と抗血小板薬の違いとは?血液サラサラ薬の使い分けと注意点

抗凝固薬と抗血小板薬の違いとは?血液サラサラ薬の使い分けと注意点について詳しく解説いたします。最新の情報をお届けします。

医療従事者と一般患者の認識の間で、いまだに大きな乖離が存在するのが「歯科治療や内視鏡検査における休薬基準」です。インターネット上の古い体験談や不確かな知識に基づき、「歯医者で歯を抜く前は、血が止まらなくなると危ないから3日前から血液サラサラの薬をやめておこう」と自己判断してしまう患者が後を絶ちません。しかし、この行動は極めて危険な行為です。

日本循環器学会、日本麻酔科学会、日本老年歯科医学会などが合同で策定している『抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン』および関連指針では、「通常の抜歯であれば、抗血小板薬や抗凝固薬を休薬せず、服用を継続したまま施行することが強く推奨される」と明記されています。これは世界的な標準治療です。

休薬を避けるべき医学的根拠は、統計データに明白に裏付けられています。薬を中止して抜歯を行った場合、止血の手間は多少軽減されるものの、休薬期間中に脳梗塞や心筋梗塞を発症して死亡または重度の後遺症を負う確率が有意に跳ね上がります。一方で、薬を継続したまま抜歯を行った場合、出血量は通常よりやや増加するものの、局所の圧迫止血や止血シーネ(マウスピース)、ゼラチンスポンジの填塞といった局所止血処置によって、ほぼ全例で安全に止血可能であることが証明されているためです。

「止血可能な局所出血のリスク」と「命に関わる、あるいは寝たきりにつながる脳梗塞の発症リスク」を天秤にかけた場合、後者を回避することが医学的に圧倒的な優先事項となります。内視鏡による生検やポリープ切除、小手術に関しても、消化器内視鏡学会の厳格な基準に則り、休薬による血栓リスクと出血リスクを個別スコアリングして対応が決定されます。主治医や歯科医に無断で服薬を一時中断する行為は、文字通り命を賭けた危険な賭けに他なりません。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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