図書館の取り寄せは迷惑?司書の本音とNg行為の境界線を徹底解説
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図書館の取り寄せには、大きく分けて「同一自治体内の分館からの取り寄せ」と「他の自治体や大学からの相互貸借(ILL: Interlibrary Loan)」の2種類があります。後者において、図書館の相互貸借が嫌がられる理由の最たるものが「他館借受の送料と負担」の問題です。
同じ市区町村内の分館同士であれば、週に数回運行される定期連絡車(巡回便)で図書が運搬されるため、追加の個別配送料は発生しません。しかし、自館にも自治体内の他館にも在庫がなく、県立図書館や他県の公立図書館、大学図書館から借り受ける場合、多くは「ゆうパック」や特定記録郵便などの実費が発生します。
この送料は、多くの自治体において「利用者の利便性と情報保障のため、図書館側の公費(税金)で全額負担」されています。つまり、利用者が無料で手にする1冊の背後には、自治体が拠出する数百円から1,500円前後の配送料が投じられているのです。
さらに、国立国会図書館の複写取り寄せを利用する場合、著作権法第31条に基づき、所定の手続きと複写料金(紙代・送料)が発生します。国会図書館の複写は原則として利用者の自己負担となりますが、申込手続きを代行する窓口司書の事務的負担は小さくありません。
それにもかかわらず、公費で県外から取り寄せた本を「気が変わったから」「書店で立ち読みして用が済んだから」と簡単に放置・キャンセルされると、投じられた税金と梱包・発送に携わった双方の司書の手間がすべて水泡に帰します。これこそが、現場スタッフが最も頭を抱える「目に見えないコストの浪費」です。