上野動物園初の女性園長・増井光子とは?パンダ繁殖に隠された衝撃の真相
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昭和30年代、獣医学の世界は圧倒的な男性社会だった。麻布獣医科大学(現・麻布大学)を卒業した彼女が歩み出した道は、決して平坦なものではない。恩賜上野動物園に就職した当初、周囲の視線は冷ややかだった。「女に猛獣の診察ができるのか」という無遠慮な偏見。しかし、彼女は現場で圧倒的な結果を出すことで、その疑念を次々と打ち砕いていった。
言葉を持たない動物たちのわずかな変化を見逃さない観察眼。深夜の急変にも躊躇なく駆けつける行動力。症例報告を徹底的に論文へとまとめ上げる学術的成果。それら積み重ねの先に待っていたのが、1990年の恩賜上野動物園長への就任だった。日本国内の主要都市動物園において女性がトップに立つのは史上初の快挙。彼女は自らの実力だけで、分厚い「ガラスの天井」を粉砕してみせたのだ。