熱中症と脳梗塞の見分け方|麻痺やろれつの異変を見抜く救急サイン

熱中症と脳梗塞の見分け方|麻痺やろれつの異変を見抜く救急サインの全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。

国際的に脳卒中の緊急評価法として標準化されているのが「FAST(ファスト)テスト」です。医療従事者でなくとも、わずか1分以内で脳梗塞の兆候を極めて高い精度でスクリーニングできます。

【F:Face(顔の麻痺)】
笑顔を作ってもらい、片方の口角や頬が下がっていないかを確認します。片側だけに力が入らず、よだれが垂れるような状態は典型的な中枢性顔面神経麻痺の所見です。

【A:Arm(腕の麻痺)】
目を閉じた状態で両腕を手のひらを上にして前に突き出し、10秒間キープしてもらいます。脳に虚血が生じている側の腕は、本人の意思とは無関係に手のひらが内側に回転しながらゆっくりと下がっていきます(バレー徴候)。

【S:Speech(言葉の障害)】
「太郎が花子にリンゴをあげた」「今日は良い天気です」など簡単な短文を復唱させます。ろれつが回らず舌がもつれる構音障害や、言いたい言葉が想起できない失語症が確認された場合は脳の言語中枢が損傷を受けています。

【T:Time(発症時刻の確認と即通報)】
上記3つのうちどれか1つでも該当すれば脳梗塞の可能性は70%以上に跳ね上がります。「最後に普段通りだった時刻」をメモし、躊躇なく119番通報を行ってください。

脱水下で片麻痺やろれつ障害が引き起こされる病理的メカニズムは明確です。脱水によって循環血液量が低下すると、血管壁にアテローム(動脈硬化巣)を持つ血管や細い穿通枝動脈の血流が極端に滞ります。結果として大脳皮質運動野や内包後脚といった運動神経線維が密集する部位への酸素供給が途絶え、支配下にある片側の骨格筋群が一瞬にして機能不全に陥るためです。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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