イラストの目の書き方徹底解説|左右の歪みを防ぐ黄金比と垢抜け技法
イラストの目の書き方徹底解説|左右の歪みを防ぐ黄金比と垢抜け技法に関する主要なデータを丁寧に解説いたします。
正面顔を克服した描き手が次に直面する高いハードルが、斜め顔の目のパースと書き方です。顔が斜めを向いた瞬間に、平面的に目を配置してしまうと「顔の皮の上に目のシールを貼ったような違和感」が生じます。
これを解消するための根本的な視点は、眼球を「球体」として捉え、顔面を「曲面を持ったマスク」として認識することです。眼球は直径約24ミリの完全な球体であり、上下のまぶたはその球体に沿って覆いかぶさるドーム状のカーテンにすぎません。
斜め45度を向いた顔を描く際は、次の3つのパース原則を遵守します。
第一に、奥側の目の横幅圧縮です。顔が回転すると、遠近法(短縮遠近法)と曲面の回り込みによって、奥の目は手前の目に比べて物理的に横幅が狭まります。基準として、手前の目の横幅を「100%」とした場合、斜め45度では奥の目の横幅を約60%から70%程度に収縮させます。ただし、縦の幅はほとんど縮小しない点に注意してください。初心者は縦横両方を小さくしてしまいがちですが、縦幅まで縮めると遠近感が過剰になり、顔が歪んで見えます。
第二に、眼球の湾曲カーブです。手前の目は目頭から目尻へのカーブが緩やかですが、奥の目は球体の回り込みに巻き込まれるため、上まぶたの頂点が中央よりも「目頭寄り」にシフトします。さらに、白目の見える面積は奥側が大幅に減少し、目尻側の白目はほぼ見えなくなります。
第三に、瞳の形状変化です。正面から見ると真円に近い黒目(角膜・虹彩)は、斜めから見た場合、パースによって縦長の楕円形へと変化します。この楕円の長軸は、頭部の傾きとアイレベルのパースラインに正確に直交していなければなりません。
さらに表現の幅を広げるためには、感情表現別の目の形バリエーションを押さえておく必要があります。
- 歓喜・笑顔:下まぶたが頬の筋肉(大頬骨筋)によって上に押し上げられ、三日月形を形成する。上まぶたは穏やかに弧を描き、黒目は上部に隠れる。
- 怒り・決意:眉間が狭まり、上まぶたの内側(目頭側)が鋭角に下がる。黒目は見開かれ、白目の露出が増加して強い緊張感が生まれる。
- 哀愁・不安:眉尻が下がり、上まぶたのカーブが外側へ向けて垂れる。瞳のハイライトをあえて小さくするか消去することで、光を失った感情を演出できる。