『赤と黒』あらすじと結末の真相|破滅へ向かう心理とタイトルの意味
『赤と黒』あらすじと結末の真相|破滅へ向かう心理とタイトルの意味にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
栄華の頂点に立ったジュリアンを突如奈落へ突き落としたのは、かつての愛人レナール夫人名義で届いた一通の告発状でした。「ジュリアンは出世のために家庭を崩壊させる冷酷な野心家である」と記された手紙を読んだ侯爵は激怒し、婚約を即座に破棄します。
すべてを失ったジュリアンは激情に駆られ、故郷ヴェリエールの教会へ直行。祈りを捧げていたレナール夫人に向けて背後から二発の銃弾を放ちます。夫人は一命を取り留めたものの、ジュリアンは現行犯逮捕され、投獄されることになります。
この結末において最も読者を驚かせるのは、投獄後のジュリアンの劇的な心理変容です。
獄中のジュリアンは、マチルドによる懸命の助命嘆願や裏工作をすべて拒絶します。裁判の法廷で彼は、陪審員たちに向かって「私は身分違いの罪を犯した平民であり、あなた方特権階級に裁かれるいわれはない」と痛烈な階級告発の演説を放ち、自ら死刑判決を確定させます。
面会に訪れたレナール夫人から、告発状は彼女の本心ではなく告解司祭に強要されて書かされたものだったと知らされたジュリアンは、彼女への深い愛を再確認し、魂の平安を得ます。虚飾に満ちた出世競争から完全に解放された彼は、従容としてギロチン台へと登りました。
ジュリアンの刑死後、マチルドは彼の生首を引き取り、自らの手で口づけをして埋葬します。そしてレナール夫人もまた、ジュリアンの死からわずか3日後、子供たちを抱きしめながら静かに息を引き取るという、あまりにも凄絶で美しい幕切れを迎えます。