ぺこぱ「時を戻そう」誕生の真相と否定しない笑いが変えたお笑い界

ぺこぱ「時を戻そう」誕生の真相と否定しない笑いが変えたお笑い界の要点や背景をコンパクトにまとめました。全体像を一目で把握できます。

ネット上の言説においてしばしば見受けられるのが、「ぺこぱは時代の空気感(コンプライアンス強化)に乗っかっただけのラッキーパンチだったのではないか」という穿った見方です。しかし、この解釈は彼らが積み重ねてきた血のにじむような試行錯誤の歴史を看過しています。

ぺこぱのネタ一覧を時系列で紐解くと、彼らは最初から「優しい漫才」をやっていたわけではありません。結成初期はHIPHOP風の衣装でラップを刻むスタイルを試みたり、着物姿のキザな侍キャラで刀を振り回したり、さらには舞台上をローラースケートで滑走するなど、過剰なキャラクター設定の迷走を10年以上も続けていました。当時の松陰寺さんは、客席にウケない焦りから相方のシュウペイさんを激しく叱責し、関係性が冷え切った時期もあったとインタビューで述懐しています。

転機となったのは、「自分たちが本当にやっていて楽しく、誰も不幸にしない笑いとは何か」を徹底的に突き詰めたことでした。単に優しくするだけでは漫才としてのフックが弱くなるため、松陰寺さんは「一度激しい勢いでツッコミの構えに入り、0.5秒後に全力で相手を肯定する」という感情の急ブレーキを編み出しました。あの特徴的な首の振りと激しい体の動きは、観客の脳内に生まれた「ツッコミが来る」という緊張感を心地よく裏切るための、極めて高度な身体表現技術だったのです。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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