奈良美智の絵はなぜ数十億円?少女の瞳に秘めた真相を徹底解説
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奈良作品の象徴とも言えるのが、大きな頭部と斜めに切れ上がった瞳を持つ少女のモチーフです。この奈良美智が描く女の子の絵の意味について、作家本人は「子どもを描いているのではなく、自分自身の精神的な自画像を描いている」と複数のインタビューや手記で語っています。
奈良美智の経歴・プロフィールを振り返ると、1959年に青森県弘前市で生まれ、両親が共働きだったことから幼少期を一人で過ごす「鍵っ子」として育ちました。米軍基地の極東放送から流れるロックやフォークミュージックに没頭し、言葉の壁を越えてジャケットのビジュアルや音の感情を吸収した経験が、彼の感性の原体験となっています。愛知県立芸術大学を卒業後、ドイツのデュッセルドルフ芸術アカデミーへ留学し、巨匠A.R.ペンクに師事。異国の地で言葉が通じない深い孤立感を味わう中で、自身の内面と対峙し、あの研ぎ澄まされた少女の視線が生み出されました。
奈良美智の作品特徴における大きな転換点は、2011年の東日本大震災です。被災地に近い東北出身の作家として深い精神的打撃を受けた奈良は、一時期絵が描けなくなるほどの葛藤を経験しました。その後、再び筆を執った作品群では、かつての攻撃的なトゲや挑発的な眼差しが影を潜め、何層にも塗り重ねられたアクリル絵具の奥から宇宙のような光を宿す、静謐で包容力に満ちた「祈り」の表情へと進化を遂げています。