決定版!エビフライの作り方|曲がらず衣サクサクに揚がるプロの極意
話題沸騰中の 決定版!エビフライの作り方|曲がらず衣サクサクに揚がるプロの極意について、詳しいまとめをご紹介しています。
老舗洋食店の厨房で行われている下処理は、単なる衛生管理ではなく、食感・形状・安全性を完璧に整えるための精密な外科的手術に近しい工程です。現場取材で明かされた、失敗をゼロにする3つの工程を順を追って解説します。
1. エビフライ背ワタ取り方と臭み抜きの科学
詳細を見る背ワタはエビの消化器官(チョウ)であり、砂や未消化物、独特の生臭み成分(トリメチルアミンなど)を大量に含んでいます。これを残したまま加熱すると、食べた際にジャリッとした不快な舌触りが残り、揚げ油全体にも生臭さが移ってしまいます。
背ワタの処理は、殻を剥いた後に背中を丸め、上から2〜3節目あたりの節と節の間に竹串を水平に刺し、優しく持ち上げるようにして引き抜きます。もし途中で切れてしまった場合は、背側に浅く縦の切り込みを入れて流水で洗い流せば問題ありません。
続いて行うべきが、片栗粉・日本酒(または白ワイン)・塩を用いた揉み洗い洗浄です。ボウルに入れたエビに片栗粉大さじ1、酒大さじ1、塩小さじ1/2を加え、指先で優しく1分ほど揉み込みます。片栗粉がエビ表面の細かいヒダに入り込んだ汚れや酸化脂質を吸着し、黒ずんだ灰色に変化します。冷水で泡立てずに手早く洗い流し、キッチンペーパーで身の水分を1滴残らず拭き取ることが、次の工程への重要なステップとなります。
2. 尻尾の爆発を防ぐ水抜き処理
揚げ物調理中に「バチバチ」と強い油ハネを起こし、最悪の場合は破裂してしまう原因の9割は尻尾にあります。エビの尻尾の中央には「剣先」と呼ばれる尖った突起があり、その根元側の袋状の組織には濁った水分が溜まっています。
この水分は油に入った瞬間に急激に沸騰し、小規模な水蒸気破裂を引き起こします。防止策は極めてシンプルです。
まず、中央の剣先を指で折り取ります。次に、尻尾の先端を包丁で斜めに数ミリ切り落とします。そして最も重要なのが、包丁の背を使って、尻尾の付け根から先端に向けてしごくように水分を押し出す作業です。包丁を滑らせると、濁った真っ黒な水がジュワッと押し出されてくるのが目視できます。この黒い水分こそが油ハネと異臭の元凶であり、完全に拭き取ることで安全かつ綺麗な扇状の尻尾に揚がります。
3. エビフライまっすぐ揚げる筋切りの決定打
エビを真っ直ぐに伸ばすための筋切りは、加減が最も重要視される工程です。切り込みが浅すぎると筋が切れずに曲がり、深すぎると身が千切れて二番煎じのような細切れになってしまいます。
エビのお腹(内側)を上に向け、まな板の上に置きます。包丁の刃先を使い、斜め45度の角度で、深さ身の厚みの3分の1程度を目安に、5〜6箇所等間隔でスジを切るように切り込みを入れます。次に、背中の節の間にも細かく浅い切り込みを直角に2〜3箇所入れます。
仕上げに、エビをまな板に伏せ、親指と人差し指・中指でエビの身を上下から挟み込むようにしながら、背骨(筋肉の芯)を意識して指の腹でグッと押し込みます。この時、指先に「プチッ、プチッ」という筋繊維が物理的に切れる感触が伝わります。この感触を腹側全体で3〜4回確認できれば、加熱しても身が収縮する力が完全に失われ、誰が揚げてもピンと真っ直ぐなエビフライに仕上がります。