競走馬は本当に馬肉になるのか?引退後の運命と隠された食肉処分の真実
競走馬は本当に馬肉になるのか?引退後の運命と隠された食肉処分の真実とはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。
引退競走馬の具体的な末路を理解するためには、日本国内における馬の生産頭数、登録頭数、そして食肉処理頭数の客観的データを突き合わせる必要があります。サラブレッドの天寿は本来25歳〜30歳程度ですが、競走馬として現役でいられる期間はわずか3歳〜5歳前後に過ぎません。残された20年以上の歳月を、すべての馬が生き抜くことは物理的にも経済的にも不可能です。
農林水産省の「畜産統計」および「食肉流通統計」によると、日本国内で年間にと畜(食肉処理)される馬の頭数は年間約1万頭から1万3,000頭前後で推移しています。この数字には、北海道や熊本などで食肉専用として生産・肥育される「重種馬(ばん馬などの大型馬種)」やカナダなどからの生体輸入馬が含まれていますが、そのうち約2,000頭〜3,000頭程度が元競走馬(サラブレッド)であると業界推計では見られています。
このデータが物語るのは、競走馬として生を受けたサラブレッドのうち、本来の平均寿命である20代後半まで生き残れる個体はごく一握りであるという現実です。名目上の「乗馬」登録によって一時的に処分を免れたとしても、維持費を稼ぎ出せなくなった段階で次の買い手がつかなければ、最終的には食肉市場へと送られるサイクルが構築されています。