検量線とは?エクセル作成手順からR2の罠まで現場プロが徹底解説
検量線とは?エクセル作成手順からR2の罠まで現場プロが徹底解説について見逃せない ポイントを厳選して解説いたします。
分析機器の画面に「〇〇 ppm」という確定値が表示されるのを見て、機械が直接濃度を読み取っていると錯覚するケースは少なくありません。しかし現実には、分光光度計は光の減衰度合を、クロマトグラフは検出器に流れた電流値を記録しているだけです。この検出器が発する出力シグナルと、試料中に存在する目的成分の濃度との相関関係を数式・グラフとして可視化したものこそが検量線(Calibration Curve)です。
吸光光度法を例にとると、基礎となる物理法則がランベルト・ベールの法則(Lambert-Beer law)です。光路長を $b$、吸光係数を $\varepsilon$、モル濃度を $c$ としたとき、吸光度 $A$ は以下の式で定義されます。
$$A = \varepsilon \cdot b \cdot c$$
光路長が一定のセル(通常1 cm)を用いる場合、吸光度と濃度計算は理論上完全な正比例関係を描きます。あらかじめ濃度が確定している標準物質(標準液)を数段階に希釈して測定し、横軸(X軸)に濃度、縦軸(Y軸)にシグナル強度をプロットすれば、シグナルから逆算して未知検体の濃度を特定できる換算表が完成します。検量線とは、目に見えない分子の量を測るために人間が装置と交わす「翻訳プロトコル」に他なりません。