日系人とは何世まで?ハーフとの違いや歴史・ビザの最新実態を徹底解説
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制度的な受け入れが進む一方で、地方都市の現場では日系社会の現在の課題が複雑化しています。愛知県豊田市、静岡県浜松市、群馬県大泉町など、ブラジル人集住地域の現場では、世代間による言語と文化の断絶が浮き彫りになっています。
筆者が取材した東海地方の自動車部品工場で働く日系3世の男性(50代)は、自身の半生をこう振り返ります。
「ブラジルにいた頃は『ジャポネス(日本人)』と呼ばれて差別され、祖父母の故郷である日本へ来たら『外国人』として外見だけで区別される。言葉の壁だけでなく、私たちはどちらの国にとっても完全な身内ではない。この精神的な孤独は、どれだけ長く暮らしても消えません」
この「ダブル・エイリアン(二重の異邦人)」とも称されるアイデンティティの葛藤に加え、2026年現在、コミュニティを直撃しているのが日系2世・3世の高齢化と介護問題です。1990年代の法改正直後に来日した世代が60代〜70代を迎え、年金加入期間の不足による無年金・低年金問題や、ポルトガル語しか通じない高齢者に対する介護サービスの不足が自治体の深刻な行政課題となっています。
さらに深刻なのが子どもの教育格差です。日本生まれ、あるいは幼少期に来日した日系4世・5世の子どもたちのなかには、ポルトガル語も日本語も抽象的な思考レベルまで習得できない「ダブル・リミテッド(セミリンガル)」に陥るケースが散見されます。公立学校での日本語指導教員の不足や、家庭内の経済的困窮から高校進学を断念し、親と同様に非正規雇用の工場派遣に固定化される「格差の再生産」は依然として解決されていません。
一方で、ポジティブな変化も確実に芽生えています。バイリンガル・バイカルチュアルな強みを活かし、ITエンジニアや海外進出企業のマネージャー、行政通訳として活躍する日系4世の若者たちが次々と台頭しています。単なる労働力としてではなく、日本とラテンアメリカの経済・文化を繋ぐハブとしての存在感を示し始めている点は見逃せません。