アメリカンコーヒーはお湯割り?浅煎りの秘密とアメリカーノの違い
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「味が薄いのだから、カフェインも少なくて身体に優しいはずだ」と信じ込んでいる消費者は少なくありません。しかし、味覚生理学と食品化学のデータを紐解くと、そこには直感とは正反対の逆転現象が存在します。
食品成分分析の知見によると、コーヒー生豆に含まれるカフェインは熱に対して非常に安定した昇華性物質であり、長時間の焙煎熱に晒されてもほとんど分解・減少することはありません。むしろ注目すべきは、焙煎が進むにつれて生豆から水分や二酸化炭素が抜け、豆1粒あたりの重量が軽くなるという物理的変化です。深煎り豆は内部が多孔質化して膨張し、同じ10gの豆を計量した場合、粒数としては深煎り豆の方が多くなりますが、熱変成をほとんど受けていない浅煎り豆は組織が緻密で水分を多く保持しています。
さらに、アメリカンコーヒーは大きめのマグカップに180ml〜220ml前後の湯量で抽出されるのが通例です。抽出時間が適正であれば、浅煎り豆のカフェインは十分に溶出します。1杯(100mlあたり)換算でのカフェイン量比較を行った場合、一般的な深煎りブレンド(約60mg)に対し、浅煎りアメリカンは同等またはそれ以上(約60〜70mg)のカフェインを含有しているケースが珍しくありません。
また、浅煎り豆の特徴として見逃せないのが、抗酸化作用で知られるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」の残存率の高さです。クロロゲン酸は熱に弱く、深煎りになるほど熱分解して消失してしまいますが、ライトローストで仕上げるアメリカン用豆には豊富に残存しています。「苦味が少なく飲みやすいから」と夕方以降にアメリカンを何杯もおかわりしてしまうと、想定以上の覚醒作用によって夜間の睡眠の質を損なう恐れがあるため、科学的な認識を持っておくことが不可欠です。