コンタクトつけっぱなしの失明リスクと取れない時の緊急対処法
コンタクトつけっぱなしの失明リスクと取れない時の緊急対処法の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。
「コンタクトを外さずに寝ると失明する」という警告は、決して大げさな脅し文句ではありません。角膜には血管が存在せず、大気中の酸素が涙に溶け込むことで酸素供給を受けています。しかし、まぶたを閉じた就寝中は大気からの酸素が遮断され、ただでさえ酸素濃度が約3分の1に低下します。そこに一般のソフトコンタクトレンズがフタをしてしまうと、角膜は窒息寸前の極度の酸欠状態に陥ります。
酸欠状態が続くと、角膜上皮のバリア機能が崩壊し、常在菌や病原体が組織深部へ容易に侵入する足がかりを与えます。その結果引き起こされるのが「角膜潰瘍(かくまくかいよう)」です。細菌(緑膿菌や黄色ブドウ球菌など)が角膜内で急激に増殖し、角膜組織を融解させて白く濁らせます。重症化すると角膜に穴が開く「角膜穿孔」に至り、視力の大幅な低下や失明につながるケースが後を絶ちません。
さらに恐ろしいのが、水回りに生息する微生物による「アカントアメーバ角膜炎」です。治療薬に対する抵抗性が極めて高く、病巣を物理的に削り取る治療が必要となるなど激痛を伴います。日本コンタクトレンズ学会の疫学調査でも、本症の患者の大多数が「レンズの装用違反(連続装用や不適切なケア)」を背景に持っていることが報告されています。
加えて見逃せないのが、角膜の透明性を維持するポンプ役である「角膜内皮細胞」の減少です。この細胞は一度死滅すると二度と再生しません。通常は加齢でも微減しますが、慢性的な酸素不足は細胞死を急加速させます。内皮細胞数が一定の限界(1平方ミリメートルあたり1,000個以下)を下回ると角膜が水ぶくれを起こして混濁し、将来的に白内障手術などの一般眼科手術が受けられなくなるという深刻な後遺症を残します。