なぜリニアを拒む?静岡県知事の「嫌がらせ」説と対立の舞台裏
なぜリニアを拒む?静岡県知事の「嫌がらせ」説と対立の舞台裏の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でまとめました。
県が譲らなかった最大の根拠が、南アルプストンネル静岡工区における大井川水系水資源問題である。南アルプスの直下を数キロにわたって貫く大規模掘削は、地域の生態系と水循環を不可逆的に破壊しかねない懸念を孕んでいた。
大井川は、流域に住む約62万人の命の水だ。茶畑を潤す農業用水であり、沿線の工場を動かす工業用水でもある。トンネル工事によって河川敷の水量が減少すれば、地域の基幹産業は壊滅的な打撃を受けかねない。東海旅客鉄道株式会社(JR東海)側は減分を戻す対策を提案したが、工事中の流出対策やリスク管理の曖昧さを県側は一切容認しなかった。生活の命綱を守るための妥協なき防衛策が、双方の溝を致命的なまでに深めた。