自家受粉とは?他家受粉との違いやメリット・植物の繁殖戦略を徹底解説

自家受粉とは?他家受粉との違いやメリット・植物の繁殖戦略を徹底解説についての真相をお届けします。

植物の繁殖や園芸情報を調べる際、多くの人が混同しやすい専門用語が存在します。代表的なのが「自家受粉」「自家結実性」「単為結果」の3つの違いです。ネット上でも情報が混線しているケースが散見されるため、ここで明確に区別しておきましょう。

誤解1:「自家結実性がある=自家受粉で勝手に実がなる」ではない

果樹の苗木タグによく書かれている自家結実性とは、「自分の花粉で受精し、実を結ぶ能力がある」という意味です。たとえば、アンズやスモモの一部の品種、イチジク、カキなどは自家結実性を持ちます。

しかし、これは「自分の花粉で受精できる体質である」という遺伝的性質を示しているに過ぎず、花自体が勝手に受粉してくれる「自家受粉構造」を持っていることとは同義ではありません。多くの果樹では花粉を運ぶミツバチなどの媒介昆虫や、人の手による筆を使った人工授粉が必要になります。自家結実性があるからと放置して「実がつかない」と嘆くケースの多くは、この受粉プロセスの欠落が原因です。

誤解2:「受粉して実がなる」と「受粉なしで実がなる(単為結果)」の混同

もう一つの決定的な盲点が、単為結果と自家結実性の混同です。通常、果実が肥大するためには受粉・受精によって種子(タネ)が形成され、種子から植物ホルモン(オーキシンなど)が分泌される必要があります。ところが、受精を行わずに子房だけが肥大して果実になる現象があり、これを「単為結果(たんいけっか)」と呼びます。

私たちが普段食べている種なしバナナ、温州ミカン、種なしスイカ、そしてハウス栽培のキュウリなどは、この単為結果性を利用した作物です。キュウリの花房に雄花の花粉がつかなくても次々と果実が育つのは、自家受粉しているからではなく、受粉そのものを必要としない単為結果性を持つためです。トマトやナスにも単為結果性を持つ最新のバイオ品種が登場していますが、一般的な固定種や従来品種の野菜では、自家受粉を確実に成立させることが収穫の大前提となります。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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