「芸術は破壊だ」元ネタは誰の言葉?ピカソと岡本太郎の真相を追う

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「芸術は破壊だ」というテーゼを、21世紀の現実世界で最も過激に具現化してみせたのが覆面ストリートアーティストのバンクシーです。

2018年10月5日、ロンドンの名門競売会社サザビーズで開催された現代アートのオークション会場。バンクシーの代表作『風船と少女(Girl with Balloon)』が104万2,000ポンド(当時の為替レートで約1億5,500万円)という高額で落札された直後、会場に警報音が鳴り響きました。額縁の内部に秘密裏に仕込まれていたシュレッダーが遠隔操作で作動し、キャンバスの下半分が短冊状に細断されたのです。

会場が騒然となる中、バンクシーは自身の公式インスタグラムに動画を投稿。そこで前述のピカソの言葉を引用しました。

「破壊への衝動は、創造への衝動でもある - ピカソ("The urge to destroy is also a creative urge" - Picasso)」

投機的なマネーゲームの場と化していたオークションハウスへの強烈な批評として仕組まれたこの破壊行為は、しかし資本主義の驚異的な貪欲さによって、さらなる皮肉な結末を迎えます。細断された作品は『愛はごみ箱の中に(Love is in the Bin)』と改題され、破壊された事実そのものが唯一無二の歴史的付加価値を獲得。2021年10月の再競売において、落札手数料込みで約1,858万ポンド(約28億円)という、初回の18倍以上に達する天文学的価格で落札されたのです。

作品を物理的に破壊した瞬間、新たな芸術的価値が誕生し、さらに巨額の資本によって回収されていく――これこそが、現代アート界を震撼させた「創造と破壊のパラドックス」の生々しい実態です。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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