腫瘍マーカーは無意味なのか?専門医が語る数値の誤解と限界

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では、行政や国の研究機関はどのような判断を下しているのか。厚生労働省の支援のもと、国立がん研究センターが策定している「がん予防・検診ガイドライン」を読み解くと、その方針は極めて明快である。同ガイドラインでは、死亡率減少効果が科学的に証明されている対策型検診(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの5大がん検診)において、一般的な血液腫瘍マーカーの単独施行を「推奨しない」と明記している。

国が推奨しない理由は単純だ。早期発見に結びつかないばかりか、偽陽性による精密検査の身体的・精神的負担、そして過剰診断のリスクが、早期発見による便益を上回ると判定されたからだ。人間ドックなどで「安心のためにオプション追加」を勧める営業トークと、公的医療政策のエビデンスとの間には、明確な対立構造が存在している。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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