クレーン付き「ガット船」とは?仕組みや船員の年収・最新相場を解剖
クレーン付き「ガット船」とは?仕組みや船員の年収・最新相場を解剖について見逃せない 理由を分かりやすく解説いたします。
高収入の裏返しとして、常に背中合わせにあるのが荷役作業と安全性に関わるリスクです。ガット船は、重いクレーンを片舷(左右のどちらか)に旋回させて数十トンの土砂を吊り上げるため、荷役中に船体の傾斜(ヒール)が極端に大きくなります。
船底のバラスト水(調整用の海水)を細かく注排水してバランスを保たなければ、荷役中の重心移動によって転覆や座礁を引き起こす恐れがあります。また、荒天時のウインチワイヤー破断や、バケットの死角に入った作業員との接触災害を防止するため、近年ではAIカメラやワイヤーテンション監視システムを導入した安全基準の標準化が急ピッチで進んでいます。
一方、船舶の調達環境に目を向けると、ガット船の中古船価格相場には2024年以降、明らかな地殻変動が起きています。新造船の建造コスト(鋼材価格や造船所の人件費)が高止まりしている影響を受け、良質な中古ガット船の引き合いが国内外で過熱しています。
国内で汎用性が高い「499GT型(積載量約1,500トン)」の中古相場は、船齢15年〜20年前後の個体であっても1億8,000万円〜3億2,000万円前後で推移しており、一部の極上艇は建造当時の船価に近い水準で取引される事例すら見られます。東南アジアや中東の浚渫・埋立事業主からの買い付け競争も激化しており、国内船主にとっては「代替船を確保したくても手に入らない」という構造的な船腹不足が深刻な課題となっています。