Amとは何の略?「夜12時はどっち?」の正解や意外な語源を徹底解説!
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長年にわたり知恵袋やSNSを賑わせ、ビジネスパーソンを混乱に陥れてきた最大の難問が「夜の12時(深夜0時)と昼の12時(正午)は、AMとPMのどちらで表記すべきか」という問題です。この疑問に明快な答えを出すには、天文学の論理と、日本独自の法制度という2つの視点を切り分けて理解しなければなりません。
天文学および言語学の厳密な定義に立てば、太陽が子午線上にピタリと乗った「正午ちょうど」は、南中の前(ante)でも後(post)でもありません。したがって、「12:00は厳密にはAMでもPMでもない」というのが学術的な真実です。米国立標準技術研究所(NIST)や米海軍天文台(USNO)の公式見解でも、「12 a.m.」や「12 p.m.」という表記は同等の曖昧さを生むため、正午には「12:00 noon」、深夜には「12:00 midnight」を用いるよう強く推奨されています。
しかし、デジタル時計の仕様や社会通念上、どうしても「12時間制の数字+AM/PM」で割り振らなければならない場面が生じます。現在の世界標準(ISO 8601等に準拠したデジタル機器の挙動)では、以下のように割り当てられるのが一般的です。
- 深夜0時(日付が変わる瞬間):12:00 AM(=午前0時。ここから午前がスタートする)
- 昼の12時(ランチタイムの正午):12:00 PM(=午後0時。ここから午後がスタートする)
ところが、ここに日本独自の法制度が絡むことで話が劇的に複雑化します。日本には現在も生き続けている1872年(明治5年)の「太政官布告第337号(改暦ノ布告)」という法令が存在します。この布告に添付された時刻表では、昼の12時を「午前十二時」、深夜0時を「午後十二時」または「翌日の午前零時」と呼ぶ旨が規定されているのです。
国立天文台の暦計算室も公式見解として解説している通り、日本の法制上は「午前12時=昼の正午」となります。しかし、これを直訳して英語圏で「12:00 AM」と書けば、相手は100%「深夜0時」と解釈します。この「150年前に作られた日本の法解釈」と「グローバルなデジタル表記ルール」の致命的な乖離こそが、夜の12時問題を恒久的な迷宮にしている主因です。契約締結時刻や航空便の出発時刻を巡る重大な誤認を防ぐためには、「深夜24:00」「翌日0:00」、あるいは英語であれば「12:00 Midnight」と文字で明記することが唯一確実な防衛策となります。