草笛光子の現在と90代の奇跡|芥川也寸志との真相から独自の健康習慣まで
草笛光子の現在と90代の奇跡|芥川也寸志との真相から独自の健康習慣までにまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。
草笛光子のキャリアは、まさに日本のエンターテインメント史そのものです。若い頃は松竹歌劇団で鍛え上げた歌とダンスを武器に、東宝ミュージカルの黎明期を支え、『ラ・マンチャの男』『シカゴ』といった名作舞台で日本初演のヒロインを務めました。
映画界においても、東宝の看板シリーズであった『社長シリーズ』への出演をはじめ、市川崑監督の金田一耕助シリーズ(『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』『獄門島』『女王蜂』『病院坂の首縊りの家』の全5作すべてに異なる役柄で出演)で強烈な印象を残しました。市川監督が「草笛さんが画面に映るだけで画面が締まる」と絶賛したように、彼女の演技には品格と狂気が同居する稀有な魅力があります。
そして2020年代以降、彼女の円熟味はさらに爆発的な輝きを放ちます。
2021年の映画『老後の資金がありません!』では、主人公(天海祐希)を翻弄する天真爛漫な浪費家の姑・後川芳乃役を怪演。劇中で披露した草笛自身のアイデアによるウィッグやハイカラなドレス、そして圧倒的なコメディエンヌぶりは日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞するなど、批評・興行の両面で絶賛されました。
さらに2024年の映画『九十歳。何がめでたい』では、断筆宣言をしたものの再び原稿に向き合う作家・佐藤愛子役を熱演。歯に衣着せぬ毒舌と、老いの哀愁、そして生への肯定感をコミカルかつ切なく演じ切り、日本映画界の金字塔を打ち立てました。若い頃の華麗なミュージカルスターから、重厚なサスペンスの脇役、そして90代での主演女優へ――。草笛のキャリアは、年齢を重ねるごとに表現の幅を広げ続けています。