高齢者の肺炎急変はなぜ起きる?見逃せない前兆サインと緊急対処法
高齢者の肺炎急変はなぜ起きる?見逃せない前兆サインと緊急対処法に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。詳細を読もうことができます。
なぜ高齢者の肺炎は、数時間単位のスピードで死に至るのか。その最も致命的な病態が、肺炎の合併症である敗血症性ショックと急性の呼吸不全です。肺胞内に感染巣を作った細菌やその毒素が血管内へと漏出すると、全身の血管内皮細胞で炎症性カスケードが暴走します。これによって全身の末梢血管が拡張して急激な血圧低下(収縮期血圧90mmHg未満)を招き、重要臓器への血液循環が破綻します。
急性呼吸不全に対する急変時対応においては、気管挿管や人工呼吸器管理が選択肢に上がりますが、高齢者の肺はすでに線維化や肺気腫によって弾力性を失っており、高い換気圧に耐えられず気胸を起こすリスクを孕んでいます。さらに、敗血症が進行すると播種性血管内凝固症候群(DIC)を併発し、微小血栓が全身に多発して肝不全や腎不全を併発します。「肺炎で入院したはずなのに、わずか1日で多臓器不全により亡くなった」という事例の多くは、この電撃的な敗血症性ショックによるものです。