精索静脈瘤の症状と男性不妊の真実|鈍痛やしこりの見極め方と治療最前線

精索静脈瘤の症状と男性不妊の真実|鈍痛やしこりの見極め方と治療最前線の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。

精索静脈瘤が男性不妊の最大の原因として挙げられる背景には、精巣という臓器特有の生物学的デリケートさがあります。本来、精巣は体温(約36.5〜37.0℃)よりも2〜3℃低い環境(34〜35℃程度)に保たれていなければ、正常に精子を作り出すことができません。陰嚢が体外にぶら下がっているのは、ラジエーターのように熱を逃がすための構造です。

しかし、精索静脈瘤によって温かい体幹からの血液が逆流し、陰嚢内に長くとどまると、局所の温度が恒常的に上昇してしまいます。これにより、精子を作る工場である精細管が「熱中症」のような状態に陥ります。さらに、鬱血した血液からは活性酸素(ROS)が過剰に発生し、激しい酸化ストレスが精巣組織を襲います。その結果、精子の運動率低下や数の減少(乏精子症)だけでなく、精子の頭部にあるDNAが傷つく「DNA断片化(DFIの上昇)」が引き起こされるのです。

かつては「精液検査の数値(濃度や運動率)が基準値内であれば自然妊娠できる」と考えられていましたが、近年の生殖医療では精子の質そのものが重視されています。精索静脈瘤のある患者の精子は、見た目が動いていてもDNA損傷を抱えている割合が高く、受精卵の分割停止や初期流産率の上昇を招くことが近年の臨床研究で明らかになっています。これこそが、精索静脈瘤を放置してはならない決定的な理由です。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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