乳児のはちみつ死亡事故はなぜ起きた?ボツリヌス菌の猛威と予防法
乳児のはちみつ死亡事故はなぜ起きた?ボツリヌス菌の猛威と予防法についての最新情報をお届けします。
保護者が最も誤解しやすいポイントが、「しっかり火を通せば大丈夫だろう」という思い込みです。結論から言えば、ボツリヌス菌は通常の加熱調理では死滅しません。
自然界(土壌や河川など)に広く生息するボツリヌス菌は、生存環境が過酷になると「芽胞(がほう)」と呼ばれる硬い殻に包まれた休眠状態に入ります。この芽胞は驚異的な耐熱性を持っており、100℃で数時間煮沸しても生き残る強靭さを誇ります。芽胞を完全に死滅させるには、食品工場などの特殊な高圧蒸気滅菌装置を用い、「120℃で4分以上」の加熱処理を行う必要があります。
そのため、家庭で行う以下のような調理法では全くリスクを排除できません。
- お菓子作り(カステラ、クッキー、パンケーキなど)でオーブン焼きする
- 離乳食のスープや煮物にはちみつを隠し味として入れ、十分に煮込む
- はちみつ入りミルクを熱湯で調乳する
また、注意すべきは純粋なはちみつだけではありません。市販のはちみつ入りお菓子や飲料、パン、タレ類も離乳食期の乳児には絶対に与えてはいけません。さらに、同様に土壌由来の芽胞が含まれる可能性がある黒糖(黒砂糖)や精製度の低いきび砂糖、コーンシロップ、自家製の井戸水なども、1歳未満の乳児には控えるのが鉄則です。