千日回峰行のトイレ事情とは?堂入りの禁忌と極限の排泄管理に迫る
千日回峰行のトイレ事情とは?堂入りの禁忌と極限の排泄管理に迫るの真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。
千日回峰行のなかでも「生きたままの葬式」と称される最大の難関が、無動寺谷明王堂で行われる「堂入り」だ。行者は足かけ9日間(正味約7日間半)、断食、断水、不眠、不臥(横になって眠らない)の状態で不動明王と対峙し、十万遍の真言を唱え続ける。この期間、飲食を一切断つため、人体の排泄機能は劇的な変化を遂げる。
開始から2日目までは体内に残った水分がわずかに尿として排出されるが、3日目を過ぎると水分補給が完全に途絶えているため尿の生成はほぼ止まる。固形物を口にしないため排便も初期段階で完全に停止する。5日目を迎える頃には極度の脱水状態に陥り、血液は粘度を増し、皮膚からは老廃物が枯渇した独特の匂いが漂い始める。毎日深夜2時に行われる「取水(井戸から水を汲んで明王に供える儀式)」の際、口をすすぐことだけが許されるが、水を一滴でも飲み込めば行は即座に失敗となる。口に含んだ水はすべて木製の器に吐き戻され、量が減っていないか厳密に計量される。排泄すべき水分すら枯渇した肉体は、まさに生と死の境界線を彷徨うことになる。