パック酒の雄・鬼ころしはなぜ安い?まずい噂の真相と蔵元の違い
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インパクト抜群の「鬼ころし」というネーミングには、日本の民俗風習や酒造りの美学が色濃く反映されています。古来、その由来には主に2つの説が存在します。
ひとつは、「どんな恐ろしい鬼であっても、一口飲めば酔い潰れて正気を失ってしまうほど旨口で強い酒」という説。もうひとつは、「鬼のように頑健で情け容赦のない豪傑であっても、あまりの辛口のキレ味に倒れてしまう」という説です。いずれも、酒の骨太なアルコール感と切れ味の鋭さをユーモラスに誇張した表現であり、庶民の活力源として親しまれてきた証です。
さらに興味深いことに、日本の伝統競技である将棋の世界にも「鬼殺し(おにごろし)」と呼ばれる伝説の奇襲戦法が存在します。江戸時代末期の発祥とも言われ、桂馬を序盤から大胆に跳ねて相手の陣形を急襲するハメ手の一種です。相手が正確な受けを知らなければ数十手で即死に追い込める破壊力を持つ一方、冷静に対処されると自陣が瓦解するという極端な性質を持っています。一気に酔いが回る強烈さと、油断すると足元をすくわれる酒の特性が、奇しくも勝負師たちの間で重なり合い、文化的な広がりを見せているのです。