なぜ博士号剥奪?学位取り消し事例から見る処分の真相と本人のその後
なぜ博士号剥奪?学位取り消し事例から見る処分の真相と本人のその後についての真相をご紹介します。
大学が一度授与した学位を取り消す判断は、極めて慎重かつ厳格な手続きを経て下されます。その根拠となっているのが、文部科学省が定める「学位規則」第12条です。同規則では、「不正の方法により学位の授与を受けた事実が判明したとき、または学位を授与された者がその栄誉を汚す行為をしたとき」に、大学側が学位を授与された者の学位を取り消し、学位記を返還させることができると明記されています。
文部科学省が策定した「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」において、学位剥奪の直接の引き金となるのは主に以下の3つの「特定不正行為」です。
1つ目は「捏造(Fabrication)」です。存在しないデータや研究結果を架空に作り出し、あたかも実験や調査を行ったかのように論文を仕立て上げる行為を指します。
2つ目は「改ざん(Falsification)」であり、得られたデータや実験機器の操作結果を意図的に操作・改変し、都合の良い結論に誘導する行為です。
3つ目は「盗用(Plagiarism)」です。他者の研究成果、アイデア、図表、あるいは記述内容を適切な引用表記なしに無断で自らの成果として流用する行為であり、インターネット上の記述をそのまま貼り付ける悪質な「コピペ」もこれに該当します。
なお、修士号取り消し要件についても博士号と同様に学位規則第12条および各大学の学位規程に準拠します。修士論文における広範な盗用やデータ偽装が判明した場合、同様に学位剥奪の対象となります。