桐箱の箱書はどう書く?蓋表・裏の作法や墨のにじみ防止策をプロが徹底解説
桐箱の箱書はどう書く?蓋表・裏の作法や墨のにじみ防止策をプロが徹底解説について見逃せない 理由を厳選して解説いたします。
古美術市場や美術オークションにおいて、桐箱の存在は本体と同等、場合によっては本体以上に価格を左右します。箱書にはいくつかの種類があり、その出自によって美術的・金銭的評価が大きく分かれます。
- 共箱(ともばこ):作品を制作した作者本人が箱書を施した桐箱。近代以降の美術陶芸においては、共箱が揃っていることが「本物(真作)」であることの強力な裏付けとなり、箱の有無だけで市場評価額が倍以上変わることも珍しくありません。
- 識箱(しきばこ/極め箱):作者本人ではなく、後世の著名な鑑定家、茶道の家元、高名な数寄者などが「この作品は〇〇の作に間違いない」と鑑定・保証して書いた箱書。古唐津や古萩、初期伊万里など、作者自筆の共箱が存在しない古陶磁では、家元の識箱が決定的な付加価値を持ちます。
注意すべきは、「共箱があるからといって100%本物とは限らない」という古美術界のリアルです。箱書そのものを精巧に偽造した「偽箱」や、無銘の古い桐箱に後から高名な作家の偽サインを書き加える手口は古くから横行しています。筆跡の勢い、落款の印影(朱肉の沈み具合や印泥の質)、桐箱自体の経年変化(木肌の焼け具合)が本体の時代感と一致しているかを複合的に鑑定することが不可欠です。