AdhdとAsdの違いとは?似て非なる特徴と大人の併発の真相

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「自分は飽きっぽくて部屋が汚いのに、マイルールを崩されるとパニックになる」――こうした矛盾した悩みを抱える人は、決して珍しくありません。これこそがADHDとASDの併発特徴です。 かつて精神医学界では、この両者は「水と油」のように相容れないものとされていました。ADHDとASD診断基準変更の経緯を遡ると、2013年に米国精神医学会が発行した『DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)』に至るまで、前身の『DSM-IV』では「ASD(当時の広汎性発達障害)の診断がある場合、ADHDは併記できない(除外規定)」という厳格なルールが存在したのです。 しかし、臨床現場では「自閉スペクトラムの特徴を持ちながら、激しい衝動性や不注意で破綻している患者」が数多く存在していました。2013年の改訂で除外規定が撤廃され、2022年の『DSM-5-TR』、さらにはWHOの診断基準『ICD-11』の普及によって、両者の併発診断が公式に認められる時代へと突入しました。 大人の発達障害の現在の診断状況を取材すると、専門医の間では「純粋なADHD、純粋なASDのほうがむしろ少数派ではないか」という声さえ聞かれます。 併発型の当事者が直面するのは、「内なる矛盾による自家中毒」です。 心の中の「ADHD気質」が「新しい刺激が欲しい!旅行に行こう!転職しよう!」とアクセルを踏み込む一方で、もう一人の「ASD気質」が「未知の環境は怖い、いつもの安全な場所にいたい」と強烈にブレーキをかけます。衝動的に突飛な計画を立てて実行した瞬間、環境の激変と感覚過敏に耐えきれず、パニックや重度の抑うつ状態に陥ってしまうのです。 さらに、治療現場では特有のジレンマも生じます。ADHDの中核薬(コンサータやインチュニブなど)を服用して不注意や衝動性が劇的に改善した結果、それまでADHDのルーズさで覆い隠されていた「融通の利かなさ」や「対人関係のこだわり(ASD特性)」が顕在化し、本人が新たな違和感に直面するというケースが臨床で頻繁に報告されています。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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