フェニルケトン尿症とは?症状と食事療法・2026年最新治療の全貌
フェニルケトン尿症とは?症状と食事療法・2026年最新治療の全貌について知っておくべき 理由を厳選して解説いたします。
現在、日本で生まれるほぼすべての新生児は、生後4〜6日頃にかかとからごく少量の採血を行う新生児マススクリーニングを受けています。フェニルケトン尿症がこのスクリーニングの対象疾患として1977年の制度開始当初から組み込まれている最大の理由は、「出生時には無症状だが、症状が現れてから治療しても手遅れになる」という不可逆性にあります。
胎児の段階では母体の胎盤を通して代謝が行われるため、誕生直後の赤ちゃんには何の異変も見られません。しかし、出生後に母乳や人工ミルクを飲み始めると、そこに含まれるたんぱく質由来のフェニルアラニンを処理できず、血中濃度が急上昇していきます。
もし治療を行わずに放置した場合のフェニルケトン尿症症状は、月齢が進むにつれて極めて重篤化します。生後数か月を過ぎると、周囲への関心の低下や発達の遅れが目立ち始め、やがて激しい痙攣(点頭てんかんなど)や重度の知的障害を招きます。また、チロシンは黒色色素であるメラニンの原料となるため、その欠乏によって髪の毛が赤茶色に脱色する「赤毛」や、皮膚が極端に透き通るような「色白」、虹彩の色素脱失が顕著に現れます。さらに、体内で蓄積したフェニルアラニンが代替経路で代謝される過程で生じるフェニルケトン体(フェニル酢酸など)が汗や尿中に排出され、独特の「ネズミ尿臭(カビ臭)」を放つようになります。
こうした深刻な脳損傷を防ぐため、血中フェニルアラニン濃度が不可逆的な神経障害を起こす前にスクリーニングで早期発見し、生後数週間以内に適切な治療へ接続することが極めて重要な意味を持っています。