中島みゆき「ルージュ」歌詞の意味と背景|ちあきなおみ提供から世界的名曲へ
中島みゆき「ルージュ」歌詞の意味と背景|ちあきなおみ提供から世界的名曲へにまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
『ルージュ』の歩みを語る上で欠かせないのが、ちあきなおみと中島みゆきという2大巨星の交差です。1977年4月、ちあきなおみのシングル曲として世に送り出された本作は、作詞・作曲を中島みゆきが担当しました。当時すでに圧倒的な表現力で歌謡界に君臨していたちあきなおみに対し、新進気鋭のシンガーソングライターであった中島みゆきがぶつけた哀切のドラマは、当時の音楽シーンに大きな衝撃を与えました。
当時の音楽関係者や制作陣の証言によると、ちあきなおみの持つ独特のハスキーボイスと陰影のある歌声に触発され、中島みゆきは女性の心の奥底に潜む「誰にも見せられない傷」を容赦なくえぐる筆致を研ぎ澄ませたといいます。ちあきバージョンが醸し出す「酸いも甘いも噛み分けた大人の女性のやるせなさ」は、昭和歌謡史に燦然と輝く金字塔となりました。
その後、中島みゆきは1979年11月にリリースしたセルフカバーアルバム『おかえりなさい』において本作を自ら歌唱しました。ちあきなおみの退廃的な美しさとは対照的に、中島みゆきバージョンはどこか少女のような純朴さと、そこから零れ落ちるやり場のない痛みが前面に押し出され、ファンの間で「二つの異なる魂が宿る楽曲」として決定的な評価を獲得しました。