尿カテーテルのミルキングは危険?禁忌の理由と最新看護ガイドライン
尿カテーテルのミルキングは危険?禁忌の理由と最新看護ガイドラインについて知っておくべき 事実を厳選して解説いたします。
尿道留置カテーテル管理において、なぜミルキングが危険視されるのか。その根底には、物理的な圧力変動が生体に及ぼす直接的なダメージと感染リスクの増大があります。
チューブを強くしごく際、カテーテル内には瞬間的に強い陰圧が発生します。この陰圧によって膀胱壁のデリケートな粘膜がカテーテルの側孔(アイレット)に強く吸引され、膀胱粘膜の剥離や微小血管の破綻による血尿を引き起こします。一度傷ついた粘膜は細菌の足場となり、感染の温床へと変化してしまいます。
さらに深刻なのが、ウロバッグ側から膀胱方向への逆流リスクと膀胱内圧の上昇です。チューブの把持方法を誤ったり、ミルキング時の押し戻し圧がかかったりすると、蓄尿バッグやチューブ内に停滞していた汚染尿が膀胱内へ一気に押し戻されます。これが契機となって引き起こされるのが、カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)や重篤な腎盂腎炎、敗血症です。米国CDC(疾病予防管理センター)や日本環境感染学会の指針でも、閉鎖式システムの維持と逆流防止が極めて厳格に求められています。