ハチ公の陰で半世紀…渋谷「モヤイ像」が2026年再開発で脚光を浴びる真相
ハチ公の陰で半世紀…渋谷「モヤイ像」が2026年再開発で脚光を浴びる真相の全貌を丁寧に掘り下げてご紹介します。
多くの通行人が勘違いしている。チリ領イースター島の「モアイ(Moai)」を模して作られたオブジェではあるものの、名前の由来は南太平洋のポリネシア語ではない。ルーツは東京から南へ約160キロ、伊豆諸島に浮かぶ新島(にいじま)の方言「舫い(もやい)」にある。
船を綱でつなぎ留める、力を合わせて共同作業を行う——そんな意味を持つ古語「催合う(もやう)」が転じたこの言葉は、過酷な自然環境と向き合ってきた島民たちの連帯の証だった。1980年、新島が東京都に移管されて100周年を迎えた記念事業の一環として、島から渋谷へと寄贈されたのがこの像だ。南国情緒のナンセンスなコピーなどではなく、離島の共同体倫理をコンクリートジャングルの中心へ打ち込んだ、一種の文化的な楔(くさび)だったのである。