鈴虫の鳴き声は電話でなぜ消える?科学的真相とマツムシ比較・飼育術
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日本の秋を代表する鳴く虫には、スズムシのほかにマツムシやエンマコオロギが挙げられます。童謡『虫のこえ』でも「あれ松虫が 鳴いている チンチロ チンチロ チンチロリン」「あれ鈴虫も 鳴き出した りんりん りんりん りーんりん」と歌い継がれてきましたが、実際の外見や生態、音響特性には明確な違いがあります。
興味深いことに、古典文学や歴史資料を紐解くと、平安時代と現代では「スズムシ」と「マツムシ」の名前が真逆であったことが判明しています。『古今和歌集』や『源氏物語』などの古典において、「松虫」として詠まれている和歌の描写(澄んだ鈴のような音で鳴く虫)は、現在の鈴虫を指しています。逆に、当時の貴族たちが「鈴虫」と呼んでいたのは、チリンチリンと鳴く現在のマツムシでした。
江戸時代から明治時代にかけて、庶民の間で「虫売り」と呼ばれる行商が盛んになり、鳴き声の美しさと虫の姿の流通が一般化する過程で、いつしか「リーンと鈴を振るように鳴く虫=スズムシ」という直感的な認識が定着し、現在のように名前が正式に入れ替わったと伝えられています。