水前寺清子『365歩のマーチ』歌詞の意味と誕生秘話|名フレーズの深層
水前寺清子『365歩のマーチ』歌詞の意味と誕生秘話|名フレーズの深層の重要ポイントをお届けします。役立つ情報が満載です。
『365歩のマーチ』の歌詞は、冒頭の「しあわせは 歩いてこない だから行くんだ 一日一歩 三日で三歩 三歩進んで 二歩さがる」というフレーズから始まります。子供向けの絵本や教材ではひらがな歌詞が多用され、非常に平易な言葉で紡がれていますが、その構造を論理的に読み解くと、極めて深遠な心理学的アプローチが潜んでいることがわかります。
一見すると「3歩進んだのに2歩戻ってしまう」というのは、効率性を重視する近代的な思考からすれば遠回りで、もどかしい足踏みに思えるかもしれません。しかし、算術的にも「3歩進んで2歩下がれば、差し引きで確実に1歩進んでいる」という事実がそこにあります。人生において順風満帆な右肩上がりの成長などはあり得ず、誰しも失敗や後退を経験するもの。星野哲郎氏が提示したのは、「後退を悔やむのではなく、トータルで1歩でも前進していれば大成功である」という現実的かつ優しい漸進主義の哲学でした。
さらに2番の「腕を振って 足をあげて ワン・ツー ワン・ツー 休まないで 歩け」、3番の「あなたの汗が あなたのあしたを つくるんだ」というリフレインは、精神論にとどまらず、身体を動かすことによって自律神経を整え、行動から感情を前向きに変えていく行動療法の原則を先取りしていました。