無塩せきベーコンは体に悪い?無添加の誤解と本当のリスクを検証

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食品パッケージに誇らしげに記された「無塩せき」という表記。これを「塩分を使っていない健康的なベーコン」や「あらゆる添加物を排除したオーガニック食品」と解釈しているなら、それは致命的な誤認です。

食肉加工における本来の「塩せき(えんせき)」とは、原料肉を食塩、香辛料、そして亜硝酸ナトリウムなどの発色剤を含む漬け込み液に一定期間漬け込む工程を指します。つまり「無塩せき」とは、塩せき工程そのものを省いたわけではなく、「発色剤を使用せずに漬け込んだ」ことのみを定義する業界用語に過ぎません。

したがって、無塩せきベーコンと普通のベーコンの違いは、端的に言えば「発色剤(主に亜硝酸ナトリウム)を使って肉の鮮赤色を固定化させているか否か」という1点に集約されます。

ここで見落としてはならないのが、無塩せきベーコンの塩分濃度です。塩味をつけ、肉の保水性を高め、脱水によって雑菌の繁殖を抑えるという食肉加工の原理上、食塩の添加は絶対に欠かせません。文部科学省の「日本食品標準成分表」や流通各社が開示する栄養成分データを照合しても、一般的なベーコンの食塩相当量が100gあたり約2.0gであるのに対し、無塩せきベーコンも1.5g〜2.2g程度と、塩分量そのものには大きな差異が認められません。「減塩のために無塩せきを選ぶ」という行為は、科学的根拠を欠いた思い込みに過ぎないのです。

さらに、「無塩せき=完全無添加」という図式も成り立ちません。市販されている無塩せきベーコンの原材料表示ラベルを裏返すと、発色剤こそ使われていないものの、結着補強のためのリン酸塩、旨味を補填する酵母エキスやアミノ酸調味料、日持ちを向上させる酢酸ナトリウムなどが調合されている商品が珍しくありません。健康イメージ先行で買い物かごへ入れる前に、ラベルに印字された「原材料名」を客観的に読み解くリテラシーが求められます。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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