シャルコー・マリー・トゥース病の真実|寿命や遺伝の確率を専門解説

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かつてCMTは臨床症状と家族歴のみから推測される曖昧な疾患群でしたが、分子生物学の飛躍的な進歩により、現在では厳密な遺伝子診断と生理機能検査に基づく確定診断プロトコルが確立されています。厚生労働省が定めるシャルコー・マリー・トゥース病 指定難病10の認定を受けるためにも、これらの客観的検査データの提示が不可欠です。

診断の第一歩となるのが、神経内科で行われる「神経伝導速度検査(NCV)」です。電気刺激を用いて神経信号の伝達速度と波形の大きさを測定します。この検査結果によって、病態は大きく2つのカテゴリーに大別されます。

末梢神経を包む絶縁体である髄鞘(ミエリン鞘)が壊れる「脱髄型(CMT1型)」では、上肢正中神経の運動神経伝導速度(MNCV)が毎秒38メートル以下へと著明に低下します。一方、神経の芯である軸索そのものが変性・脱落する「軸索型(CMT2型)」では、伝導速度は毎秒38メートル超とおおむね保たれるものの、神経波形の振幅が著しく減衰します。

続いて実施されるのがシャルコー・マリー・トゥース病 原因遺伝子と検査です。CMTに関与する原因遺伝子はこれまでに100種類以上が同定されていますが、日常臨床で頻度の高い主要遺伝子については保険適用によるパネル検査が整備されています。

国内の全CMT患者の半数以上を占めるのが、17番染色体短腕(17p12)に位置するPMP22遺伝子の重複による「CMT1A型」です。この遺伝子が通常2コピーのところ3コピーに重複することで、末梢ミエリンタンパク質22が過剰発現し、髄鞘の形成不全と二次的な軸索障害を引き起こします。次いで軸索型で最も頻度が高いMFN2遺伝子変異(CMT2A型)、X連鎖性のGJB1遺伝子変異(CMTX1型)、MPZ遺伝子変異(CMT1B型)などが続きます。遺伝学的検査によって原因遺伝子が特定されることは、個別の予後予測、適切なリハビリ方針の決定、そして後述する遺伝子特異的な治験への参加資格を得るための必須条件となっています。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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