「犯罪者予備軍」の真実:最新心理学と統計が告げる兆候と防犯策
話題沸騰中の 「犯罪者予備軍」の真実:最新心理学と統計が告げる兆候と防犯策について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。
かつて19世紀のイタリアで犯罪心理学の先駆けとなったチェーザレ・ロンブローゾは、身体的特徴や遺伝的素因によって生得的犯罪者が存在するという説を唱えた。しかし、現代の科学においてこの決定論的アプローチは完全に否定されている。犯罪傾向は決して生まれつき固定されたものではなく、個人の置かれた環境や外的ストレスによって大きく変容するものだからだ。
この点を極めて鮮明に証明したのが、スタンフォード監獄実験で知られる心理学者フィリップ・ジンバルドーの「ルシファー・エフェクト(悪魔効果)」に関する研究である。ジンバルドーは、善良な個人であっても特定の設定や劣悪な状況下におかれれば、誰しもが冷酷な行為に手を染め得ることを実験を通じて提示した。犯罪者予備軍という存在は特殊な個人の異質さによるものではなく、社会の構造的歪みや環境的ストレスが引き起こす現象であるという示唆は、現代の刑事司法や防犯施策においても極めて重要な示唆を与えている。