秒速5センチメートル主題歌はなぜ既存曲?山崎まさよし起用の真相と結末
秒速5センチメートル主題歌はなぜ既存曲?山崎まさよし起用の真相と結末について押さえておきたい 理由を分かりやすく解説いたします。
映画『秒速5センチメートル』のクライマックスを決定づける主題歌『One more time, One more chance』は、映画のために制作された新曲ではなく、1997年1月にリリースされた山崎まさよしの通算4作目のシングル曲です。山崎まさよし本人が主演を務めた映画『月とキャベツ』の主題歌としても知られる大ヒットナンバーでした。
新海誠監督があえて10年前の既存曲を起用した最大の理由は、「観客の誰もがすでに知っており、日常の空気感として共有できる普遍的な名曲」を求めていた点にあります。新海監督は制作当時のインタビューで、「登場人物のモノローグやセリフだけでは届かない切実な感情の広がりを、すでに人々の記憶に根付いているこの楽曲の強度に託したかった」と語っています。
ゼロから新しいイメージを構築する書き下ろしではなく、すでに聴き手の人生やノスタルジーと結びついている山崎まさよしの代表曲を採用することで、主人公・遠野貴樹が抱える「失われた過去への喪失感」を観客自身の個人的な記憶とダイレクトに共鳴させる仕掛けを生み出したのです。