なぜ道路が一周?のの字橋の驚くべき高低差の仕組みと全国名所徹底解剖

なぜ道路が一周?のの字橋の驚くべき高低差の仕組みと全国名所徹底解剖について詳しく解説いたします。最新の情報をチェックしてください。

壮大な近代ループ橋が脚光を浴びる一方で、日本の「のの字橋」のルーツを語る上で絶対に外せない歴史的遺産が、神奈川県横須賀市の谷戸(やと)深くに現存しています。それが、通称「のの字坂」および「のの字橋」と呼ばれるスポットです。

JR横須賀線の田浦駅を下車し、国道16号線を横断して山側の谷戸の奥へと歩みを進めると、鬱蒼とした木々に包まれた狭隘な道路に出迎えられます。市街地の急斜面を克服するために作られたこの極小のコンクリートループ橋は、横須賀市が2017年8月に公告した修繕工事入札情報などの公式記録によって、正式名称が「十三峠陸橋」であることが裏付けられています。

横須賀市の郷土史料や公文書によると、この道が切り開かれた発端は戦前の軍事要請にありました。帝国海軍の要港であった横須賀の防衛拠点として「城の台砲台」を山腹に築造するにあたり、資材や大砲、弾薬を重量運搬車で山上へと引き上げるための専用道路として開削された経緯を持ちます。直登不可能な断崖に直面した軍の工兵隊や土木技師たちは、限られた谷戸の空間に人工的な立体交差を配し、馬車やトラックが登坂可能な勾配を作り出しました。

現在では地域住民の生活路として定着しているほか、「かながわ歴旅ARラリー」や「ヤマレコ」などの登山・トレッキングルートとして愛好家が静かに訪れる隠れた名所となっています。苔むしたコンクリートの質感と昭和初期の土木技術の息吹は、巨大橋とは一味違う濃厚な歴史の哀愁を今に伝えています。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest