競馬界で馬肉がタブー視される理由|引退馬食肉の真相と業界の現実

競馬界で馬肉がタブー視される理由|引退馬食肉の真相と業界の現実に関する最新のニュースを分かりやすく解説します。関心のある方は必見です。

一般消費者の間では「競馬の馬が居酒屋の馬刺しになっている」という認識が広く浸透していますが、これは畜産流通の実態から見ると大きな誤解を含んでいます。私たちが普段口にする高級な霜降り馬刺しのほとんどは、競走馬ではなく専用に改良・飼育された「重種馬(じゅうしゅば)」です。

サラブレッド(軽種馬)と食用専用馬の間には、品種、体格、肉質、そして経済的な流通ルートにおいて決定的な隔たりが存在します。その実態を客観データで比較したのが以下の表です。

項目食用専用馬(重種馬)競走馬(サラブレッド/軽種馬)編集部の見解・実態分析主な品種・系統ブルトン、ペルシュロン、ベルジャン交雑種(重種・半重種)サラブレッド、アラブ系(軽種馬)食用馬は農耕馬ルーツの超大型種。サラブレッドとは骨格から異なる。成馬の体重約800kg〜1,100kg約420kg〜520kg体重差は約2倍。取れる枝肉の重量が圧倒的に重種馬のほうが多く採算が良い。肉質とサシ(脂肪)サシが入りやすく、肉質が柔らかい。脂の融点が低く甘みがある。赤身主体で筋肉質。筋繊維が発達し硬く、サシは極めて入りにくい。極限まで絞り込まれたサラブレッドは「馬刺し」としての商業価値が低い。主な肥育地・供給源熊本県、福島県、北海道(カナダ・仏からの生体輸入が約6〜7割)全国の競馬場・育成牧場(引退後の使途変更馬)国内で消費される高級馬刺しの多くは海外からの生体輸入重種馬。主な流通用途高級馬刺し、桜肉鍋、ステーキ用精肉加工肉原料(コンビーフ、ソーセージ)、ペットフード、安価な赤身肉サラブレッドは数か月再肥育されて赤身刺しになる例もあるが、大半は加工用。

農林水産省の畜産物流通統計および業界関係者の証言を突き合わせると、国内の馬肉流通において「サラブレッドの直接的な高級馬刺しへの利用」はごく限定的です。競走馬は極限まで体脂肪を削ぎ落として走るアスリートであり、筋肉が硬く発達しているため、生食用の霜降り肉には適しません。

したがって、サラブレッド食肉の真相を正確に表現するならば、「私たちが料亭や専門店で食べる高級馬刺しのほとんどは専用の重種馬であり、引退競走馬は主に加工用肉や安価な赤身、あるいは動物園の猛獣用飼料やペットフードの原料として処理されている」というのが冷徹な事実です。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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