現住建造物等放火罪なぜ死刑も?殺人並みの量刑相場と成立要件の盲点

現住建造物等放火罪なぜ死刑も?殺人並みの量刑相場と成立要件の盲点についての最新情報をお届けします。

Q1:誰もいない自分の実家に火をつけた場合でも「現住建造物等放火罪」になりますか?
A1:実家に誰も住んでおらず、犯行時にも人がいなければ「現住」には当たらず、非現住建造物等放火罪(刑法109条)が検討されます。ただし、別荘のように定期的に起居している場合や、近隣に人が住む家屋が隣接していて延焼の危険が極めて高い場合は、捜査段階で極めて厳格に検証され、重い罪名で追及されるリスクがあります。

Q2:ライターで自宅のカーテンに火をつけたが、怖くなってすぐに水で消した場合はどうなりますか?
A2:カーテンに火がついただけで壁や柱に燃え移っておらず、独立燃焼に至っていなければ未遂となります。さらに、第三者に発見されて消されたのではなく「自分の意思で自発的に消火した」のであれば、刑法43条但書の中止未遂が適用され、刑の必要的減軽または免除を受ける余地が生じます。速やかに弁護士へ相談し自首を検討すべき事案です。

Q3:ガソリンをポリタンクに入れて標的の建物に向かったが、着火前に警官に職務質問された場合は何の罪になりますか?
A3:火を放つ前であっても、放火の目的で燃料や点火器具を準備・運搬していれば「放火予備罪」(刑法113条:2年以下の拘禁刑)が成立します。すでに建物内へガソリンを撒き散らしていた場合は、放火の着手があったとみなされ「現住建造物等放火未遂罪」として現行犯逮捕される可能性が極めて高くなります。

Q4:放火で家を燃やされた被害者ですが、加害者から損害賠償を回収することはできますか?
A4:民法709条に基づく不法行為責任として全額の損害賠償を請求可能です。しかし、放火犯の多くは資力が乏しく、火災保険の求償も重なるため、判決を得ても回収が困難なケースが多々あります。まずはご自身が加入している火災保険の「放火・受託物特約」などの適用を最優先で保険会社と確認することが実務上の最善策となります。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest