切梁とは?腹起しとの違いや役割・崩壊防ぐプレロード工法まで徹底解説
切梁とは?腹起しとの違いや役割・崩壊防ぐプレロード工法まで徹底解説とは一体何なのか? 専門的な分析を簡潔に解説します。
山留め工事の現場において、架設時以上に作業員が緊張感を強いられるのが「切梁の撤去」および「盛替え(もりかえ)」の局面である。地下の躯体(基礎コンクリートや地下階の壁・スラブ)が完成してくると、躯体そのものが土圧を受け止める壁となるため、施工の邪魔になる切梁を順次解体・撤去していかなければならない。
しかし、最下段のコンクリートを打設したからといって、上段の切梁を無計画に外せば、土圧の支持点を失った山留壁が瞬時に内側に倒壊する。そこで行われるのが「盛替え」という高度な応力伝達作業だ。打設完了したコンクリートスラブと山留壁の間に油圧ジャッキや仮設のショート切梁を突っ張り、土圧の受け手を「解体する切梁」から「完成した地下躯体」へと安全にバトンタッチさせる。
現場では次のような重大リスクに対する綿密な危険予知(KY)と管理が求められる。
第一に、「躯体コンクリートの強度発現不足」だ。コンクリートの圧縮強度が設計値(一般に脱型基準となる所定の材齢強度)に達する前に切梁を撤去すると、地下外壁にクラックが入り、最悪の場合は外壁ごと押し潰される。テストピースによる圧縮強度試験の確認は絶対の前提条件である。
第二に、「盛替え作業中の局所過大応力」である。ジャッキの盛り替え順序を誤ると、特定の切梁や腹起しに設計値の2倍以上の過大応力が集中し、部材が激しく吹き飛ぶ大事故につながる。解体は必ず構造計算書に定められたブロック順序に従い、軸力計(ロードセル)の数値をリアルタイムで監視しながら慎重に油圧を抜いていかなければならない。